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麻酔について [バイオレゾナンス メソッド]

自然療法主体にしてから、麻酔処置は自然療法の処置のために必要な時以外は現在、ほとんど行っていない。自然療法を主体に診療する前は、外科手術と麻酔に興味を持っていた。外科が好きなのは治療や手術後の善し悪しがはっきりわかり、直したという達成感があったからだろうと思う。
麻酔については、自分の興味もあり、いろいろな麻酔薬や前処置の薬、麻酔プロトコールなどを模索していた。
もう12年以上も前の話だけど、当時まだ日本にはなかったプロポフォールやおそらく今でも日本にはないと思われるエトミデートをリスクの高い患者に使用していた。整形外科が好きだったので、神経ブロックや腰椎麻酔も併用し、イソフルランという吸入麻酔の量をかなり少なく手術ができた。術後のペイン治療もいろいろ工夫していた。整形外科というのは、麻酔時間にどれくらいかかるかというのはおおよそ検討がつく。しかし、腹腔内の腫瘍
を摘出するような手術は、麻酔時間の予想がつかない。とくに、癒着のひどい症例などは、8時間以上も麻酔していなければならないこともある。時間がかかればかかるほど麻酔のリスクが次第に高まっていく。
そんな時に役立ったのがバイオレゾナンスメソッドによる麻酔薬の選択だった。患者の血液や毛を使って、相性の良い麻酔薬剤を選択し、その中からプロトコールを考える。この方法で、麻酔をするとまず問題なく手術でき、覚醒も早かった。中には、イソフルランがダメでプロポフォールの点滴麻酔で手術したこともある。
そうかと言えば、アセプロとケタミンのカクテルが良かったりと様々だった。
もうひとつ、麻酔を無事に終わらせる方法としては、次のことを実践する。
麻酔をかける前には飼い主さんには、「無事に終わるように祈ってください」と必ず伝える。麻酔処置や手術に飼い主さんも同じ思いで参加してもらうのが良いと思っている。

そういえば、こんなことがあった。猫ちゃんで去勢を希望していたんだが、相性の良い麻酔薬が選択できない。
これといって異常はないはずなのだが、麻酔プロトコールを作成できなかった。これは、困った。飼い主さんも
去勢手術を希望しているし、健康(と思われる)な猫の去勢を「できない」ことの説明をしなければならない。
体調的なものもあるかと思い、定期的に麻酔チェックしたがそれでも駄目だった。
そんな時に、どうしても麻酔をかけざるを得なくなった。その猫が尿閉になったのだ。
膀胱もパンパンになっていて、すぐに処置をしなければならない状態だった。
飼い主に説明をし、できるだけ安全な麻酔プロトコールで処置をした。処置後も順調で、何事もなく、退院し、後になって「なんで相性の良い麻酔がなかったんだろう」と少しバイオレゾナンスメソッドに疑問を持ち始めてた。
ところがである。退院後、4日目に、飼い主さんから「尾が下がったまま」という連絡がきた。
麻酔による弊害が神経症状という形で麻酔後6日目ぐらいに出たのだ。
尾の麻痺以外は問題なく、ホモトキシコロジーの治療で、尾の麻痺も治癒した。
やはり麻酔の弊害がでることに間違いは無かったのだ。
相性の良い麻酔が選択できる場合は、いいのだが、選択できない場合があるとかなり緊張する。
もしかしたら、今できるだけ麻酔をしたくないのはこういうことを経験しているせいかもしれない。

どちらかというと、同意書やモニターというものは、獣医師側を守る手段に思える。それは、そうだと思う。
100%安全な麻酔はないからだ。どんなに術前検査で問題が無くとも、麻酔で問題は起こり得るのであって、
そのことは、飼い主さんは十二分に理解してほしい。獣医師は、いかに麻酔の事故が起こらないように切磋琢磨しても麻酔事故を100%は防ぐことができないのである。これは、手術の大小にかかわらずだ。

麻酔をかける際には、無事に麻酔から覚めるように祈ってほしい。飼い主なら願いは通じるはずだから。
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